見立て力アップ講座 vol.3
評価から自由でいること。「対等」のはなし
カウンセラーは、仕事を得るまでに挫折しやすい仕事だと思います。
お互いに学び合う場として、10年近く勉強会をしていますが、
なが~く通ってくださる方はほんのすこしで、
あとは出入りがわりとあります。
資格取得後、仕事になるまで学びを続ける人はごくわずか。
一つには、なかなか技術に自信が持ちづらいこと。
もう一つは、そもそも自分に自信が持ちづらい人が志すケースが多いこと。
が、原因であることは、よくわかるのです。
技術力については、
とにかくケース数や、ロールであってもいろんな人のお話を聴かせていただくことが重要です。
そこで、聴きっぱなしだと、成長スピードは遅いので、
セッションで何が起こって、自分はどう関与したかという、
「深い振り返りの経験」をたくさん重ねること。これにつきます。
ずっと繰り返すことで、対応力・援助力が上がります。
地道ですがこれが、土台になって、自信がつくのです。
技術を上げたい人はCC協会の実践クラスに来てね。
今日は、マインドの話もしたいと思います。
先日、卵ちゃんたちに、カウンセラーはすべての人と対等でいてね、
と言いました。
「対等」。
これ、ロジャーズも言ってることなので、
有資格者なら教科書で必ず読んでるはずですが、
お題目じゃなく本当に自分に問いかけてほしい大事な「あり方」です。
目上であっても年下の人にでも、丁寧に接するのは気持ちのいいことです。
でも、丁寧に接するのと上下関係を持ち込むのは別のこと。
例えば先輩や、押しが強そうな人と比べて自分を「下」に位置づける人。要注意です。
小さい子に対して、何かを「やってあげるのが当たり前」と思っている人、
逆に子どもだから大人の言うことを聞かせて当たり前、と思っている人もです。
あと、役に立つか立たないかで、自分や人を判断する人も同じ。
目の前の誰かを常に、自分より上か下かで見がちな人は、
他者からの視線で自己評価を決めやすい。
人にいい人、役に立つ人と思われないと自分はダメと思っちゃう。
行動のモチベーションが、人に好かれるか嫌われるか、になっちゃう。
嫌われたら嫌だから、自分には荷が重いことや、やりたくないことも引き受けちゃう。
自己犠牲が過ぎちゃうんですよね。
大人も子どもも、地位がある人もない人も、役に立つことがあってもなくても、人間はみんな対等。
これを、頭でわかっているだけでなく、体現できることを目指せるといいんです。
どうやったらそうなるか?
まあ、気持ち一つです。
タイトルの通り。評価から自由になる。
どうなったらそうなるか・・・
たくさん話し合って、自分の心理的死角に気づいて、少しずつ腑に落とし込めるような場所も、
作っていきたいと思っていますよ。
人の感情が理解できる聴き方をレベル1とするならば、という話。
2年ほど付き合っているクライアントさんがいます。
クライアントから学ぶことは、その都度いろいろあります。
付き合いが長くなると、クライアントの変化が大きいので、こちらも今、自分がやっているカウンセリングの意味がわからなくなることもあったりします。
でもその時におたおたしてもしかたないので、
わからないなあーと思いながらも、カウンセラーは「あるがまま」でいることしかできません。
意味がわかろうが、わかるまいが、とにかく「あるがまま」つまり自己一致した状態でいることが最善であり、実際はそれしか援助には役立たない。。。と言いたくなる日も、あったりします。
カウンセラーとして、最初に学ぶのは、「クライアントの感情を理解する聴き方」です。
これを仮に、レベル1としましょう。
いつも言っていますが、ここはセンスも多分に影響して、
できない人はなかなかできませんが、
カウンセラーでなくても営業でも、教育担当でも、良好な家庭を築くためにも大事だったりします。
さて、人の感情を理解できるようになったとしても、
それだけでは職業としてはなかなか難しいです。
何か、問題を見つけなければ、解決した感が共有できません。
自分のサービスは何なのかを説明することもできません。
ということで、次の段階は「クライアントの問題を見立てる聴き方」を学ぶこと。
これがレベル2。
ですが。
感情を理解して、問題を見立てることができても、本当の援助ができるようになるとは限らないと、
実際のクライアントを前に悩むことはそれからたくさん、たくさん起こると思います。
なぜか?
見立てるべき、解決すべき問題があるときばかりではないから。
ただ、さまざまな要素の巡り合わせで、長く付き合わせていただけているクライアントさんからは、
やはりいつも「今」の気持ちを聴くことだけが援助の道だと、
教えていただいているなあと思います。
感情は、変わります。
思考に一貫性はありません。
でも、クライアントも自分も、人はみんな、神様の視点で見れば、大いなる流れに乗っている。。。という見方をしてみると。
カウンセラーとしてできることは、
あるがままでありながら、クライアントのそのときそのときの感情に耳をすませる。
ということに集約されるようにも思います。
ということでレベル3は、自分の役割がわかること、ではないでしょうかね^^
シニア産業カウンセラーのレベル
産業カウンセラーの試験は、8分間で、感情にフォーカスすること、
そのためにカウンセラーとしてやろうとしたことの自覚が表現できれば合格します。
養成講座でそんなの習わなかった! と言われる人がいますが、、、
カウンセラーの役割をなんだと思っているのかな?
事柄を繰り返してばかりいてもなんの解決にもつながらないよね。
できる人には理由がない。
できない人にだけ理由がある。のです。
で、感情にフォーカスするというのは、
カウンセリングプロセスで言ったら「問題の把握」の入り口になるわけですね。
産業カウンセラーの資格が取ったばかりの人の多くが、
20分くらいのロールプレイをやってみて、迷走してしまうのは、
感情になんのためにフォーカスするのか、その先に何を目指すか、
そのために何をしたらいいかわからないからです。
感情を焦点化した。で、どうする。
っていう分岐点が、とても大雑把に言うと、
インテークの15分くらいでくるのです。
ロールプレイ20分してみるととってもわかりやすいんだけど、
残りの5分でやんなきゃいけないことがなされないと、話がぐるぐるしちゃうんですよね。
残り5分で、ケースの方向性もわからないし、やれることの具体策もほぼないことに気づいて、カウンセラーなんてとても名乗れない、何もできない、という事実に愕然とするわけです。
みんなが通る道ねー。
わたしも通りました。15年くらい前。
シニア産業カウンセラーを受けようとする人でも、
このレベルの人が結構います。
当然、合格には遠いです。
傾聴を、「話を正確に聴く」ということだと勘違いしている、
としか思えませんが、
当たり前ですがそれではクライアントの心理変容、洞察は起こせません。
まれに、カウンセラーが何もしなくても、クライアントが変容することはあります。
相性が良く、クライアントの成長する力もあって、何もしなくてもいい、と判断できる場合もあります。
でもそれは、始めてみないとわからないことですし、
初対面のクライアントに対して最初から期待すべきことではなく、
それを狙うのはカウンセラーとしての責任の放棄になってしまいます。
ということで、シニア産業カウンセラーとして合格するレベルは、
「何をなすべきかわかっている」カウンセラーということになります。
そして、これは現場で仕事を任されるべきレベルとほぼ同じ。ですよね。
見立て力アップ講座 vol.2
見立て力 No.2
クライアントの話から、何と何が葛藤を起こしているのかを整理することなども、構造化です。
やはり最初の段階で、しっかり感情と不一致を捉えておく必要があると思います。
自分のカウンセリングはこれでいいのか?その3 -カウンセラーのメンタルケア編
うろ覚えな人はnaverまとめをどうぞー。
自分のカウンセリングはこれでいいのか?その1 -仕事が決まってから編
見立て力アップ講座 vol.1
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見立て力 No.1
感情について、いろんな学び方がありますが、
まず簡易版としてwikiの感情の一覧を見て、日常シーンで言語化できるようになりましょう。
人の言葉から「感情」をくみとれるようになるには、自分自身の感情をしっかりと認識する(「ある」ことを感じ、ぴったりする感情用語のラベルを貼る)ことが大事です。
思考は現代人にはとても大事ですが、思考(こうあるべき)と感情(でも悲しい)が不一致を起こしている場合も多いので、両方をきちんと理解できるようになりましょうね。
感情は、言葉でクライアントから出る場合もあるし、(「悲しいんです」etc)
感情を込めた事柄や思考の言葉として出る可能性もあります。
ただ、「共に感じる」共感的理解ができるレベルに昇華した言葉として、最初から表現してくれることは稀です。
クライアントが最初から、「ほんとうの気持ち」を自覚できていたら、ほとんどのケースは悩まなくてもすんでいます。
逆に言うと、
カウンセラーが共感的理解ができるくらいまで、
クライアントに今ある感情を見つけて、結晶としての言葉にしてもらう必要があります。
ここが共同作業になるので、プロセス1の信頼関係が重要ですね。