心理カウンセラーはアナログ

資格を取ったばかりの人が、プロの心理カウンセラーになるには、そして真にクライアントのためになる心理カウンセラーとは、を考えるブログです。

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自分のカウンセリングはこれでいいのか?その2 -どこまで技術向上すりゃいいの編

心理カウンセラーって、
自分はできる、って思ったらちょっと危険。
という部分がある職業なので、
いつになったら一人前なのかはっきり線を引くことはできないです。
 
ベテランでも、スーパービジョン受けるのが当たり前の世界。
 
でも、自分はできない、と思ってるわけにもいかない。
そりゃあプロとして無責任だし、
そんなカウンセラーのところにはお客さんも行きたくないですもん。
 
だからどこまでいっても、
自分を客観視するしかない、その覚悟はいります。
これ、謙虚とは違うんですね。
自分を過大評価も過小評価もしちゃいけない。
 
フラットであるということ。
これは、心理学で目指す幸せのゴール、というかスタート、
のようなものとわたしはとらえています。
スピリチュアルとか宗教でいう、「悟り」にも近い状態です。
というわけでカウンセラーがプロとして目指すのもこれです。
 
ただし、仕事でフラットであるのと
仕事もプライベートもいつでもどこでもフラットであるのは違います。
仕事では、フラットな状態を理解して一定時間そのように振る舞うだけでOK。
プライベートでは別にこだわりまくったっていいんです。
でも、その二面性が自分で疲れるはずなので、
心底フラットでありたいと決意したらそこから、
悟りへの道が始まる。。。かも。
 
 
自分に鑑みて、
いつ一人前って思えるようになったかを書いてみます。
 
わたし、共感力はいつまでも低いんだけど
言語的理解力はそこそこ高かったのと、
恐れずにいろんなケースを扱わせてもらったのが功を奏した、
と振り返ってみて感じております。
 
一人前って思えたのは、
 
1.応答のコントロールができる
2.心理技法が相手と目的に合わせていくつか使える
3.危機対応ができる
4.環境調整ができる
5.妥当性の高いケースマネジメントができる
 
に加えて、
クライアントに支持されなくても、
後味の悪い終わり方をしても、
達成感とかまったくなくっても、
それはそれってわりきって次のクライアントの話に集中できるようになったとき。です。
 
それぞれの詳細はまた。
 
 
 
おまけ、
1時間の対面相談で、
ききながら記録とらなくて忘れないんですか?
ってよく初学の方々から質問されます。
 
45分から1時間の話であれば、終わった後ほぼ思い出して詳細に記録に残せます。
これは仕事として始めたらわりとすぐできるようになる。
 
もちろん記録を残す必要のある現場のみ。
契約の範囲によります。
わたしは記録残さなくて前の話を忘れちゃっても、
再訪の時困らないです。倫理的にどうかは問わないでね! いろんな現場があるってことで。

 

自分のカウンセリングはこれでいいのか?その1 -仕事が決まってから編

今日は、心理カウンセラーの仕事が決まってから編を書きます。

修行の甲斐あって、それなりにカウンセラーの役割と技術が身についてきたら、
ぽちぽちと仕事で、つまりお金をクライアントが払う状況でお話を聴く機会も出てきたりします。

そうでない人も一定数以上いるかと思うので、
「じゃあどれくらい技術が向上したらプロの現場に立てるの?」の話も改めてします。

プロの現場では、
とにかく初期は緊張して時間をまっとうするだけで精一杯ですが
少し慣れてくると今度は悩みまくる時期がやってきます。

自分のカウンセリングはこれでいいのか?


場数が足りないと、まず見立てまでいかないことが多いです。
信頼関係の構築とクライアントのガス抜きは重要なステップですから、
そこはとにかくがんばろうとするんですが、
当たり前ですがそれしか技術がないと、
自分が何を提供しているのかわからなくなります。

クライアントの健康度が高ければ、
信頼関係構築→ガス抜きだけで、
自分で解決方法を見つけ出せるまでに整理されることもわりと、あります。

そう考えると、技術力が低くても、
役に立てる機会自体は増やせるので、
自分への客観度が低ければ
仕事をしてるつもりになることもできると思います。

というのは辛口すぎる表現ですね。
おおらかで、その時間真剣であれば、
確かにカウンセラーとクライアントとの間に心理的接触が起こり、
「なんだかわからないけど」クライアントが元気になった⭐︎
ということは起こるのです。

そして、このカウンセラーの人間力
技術以上に価値があるという考え方もできると思います。

つまり、相当に自己客観レベルが高い場合も、
技術以外の影響力で大きな価値を生み出すことを選択しているケースもあります。
が、今回はそういう天然スピリチュアルなカウンセラーは置いておいて、
初心者で自信をなくすカウンセラーの話をしますね。

経験が少なくカウンセラーとしての軸が定まっていない場合、
「役に立ったのかもしれないけどクライアントの内面で何が変化したかわからない」
という経験が重なると不全感は高まります。

もちろん、
技術も共感力も低ければ課題が見つからない=見立てができないので、
カウンセリング自体が行き詰まったり、
解決とは別の方向に進んでしまったりという感触がわかるようになると
さらに、修行の必要を感じると思います。

アカデミックな世界では心理療法を実践する場合は
スーパーバイズは必須ということになっています。
でも、修行をがんばればがんばるほど
カウンセラーにはお金がないので、スーパーバイズは贅沢品です。

わたしは、たまたまベテランの先輩になんでも質問できる環境にありましたので
無償でスーパーバイズ的なこともしていただいてました。
環境は大事です。

とにかく、自分を客観視できる環境に身を置かなければ先はありません。
就職活動編で書いたように、いろいろな方法で仲間や、情報を得てくださいね。
そしてとにかく、たくさんのケースに溺れて、経験を増やしていかれることをお勧めします。

次は、どこまで磨けば自信がもてるか?
というところを追求したいと思います!

心理カウンセラーはアナログ。

心理カウンセラーはアナログ。
ブログのタイトルにしてしまうほど、
わたしの知る限りほんとにアナログな人がすごーく多い職業です。

ただ憂えたり嘆いたりするのは性に合わないので、
なんでなのか考えていたところ、
一つの可能性が浮かびました。


心理カウンセラーって大学の先生層を除くと、
昔から女性が多いですよね。

だって、基本、一人前の仕事にできないしね。
大きいお家の奥様とかが多かったんじゃないかなあ。
社会奉仕活動なイメージ。
今だって、臨床心理士の資格があったって正職員じゃない人いっぱいいますからね。

向き不向きとか関心度も女性の方が高め。
わたしの時代は大学に心理学科がいっぱいできた頃なんですけど、
7割くらい女子でした。
みんな統計できなくって泣いてたなー。文系でね。。。

実際、共感のレベルが高いのは総じて女性です。
今の若者には、男子でもすごく共感性の高い子がわりとごろごろといるので、
生理的なことじゃなくて文化的なことかもしれませんが。

女性が多いことと、タイトルの「アナログであること」は比較的連動している。

臨床畑では、合理的だったり効率的だったりというのは好まれないです。
一人一人をじっくり「共感」的に理解することが重要で、
データでは表層面しか知ることができない、ってね。

ま、そこは否定しません。

こういう感覚って、やっぱりITから遠いのかもしれないです。
なんでも秘密。
守ってなんぼ。

発信したりナレッジをためて再構成して普遍的に活用したり、
って、
人間を「膨大な情報のかたまり」と認識してるからこそやろうとする、
のですものね。

個人的には、一人一人を個別に理解することと、
人間を大きくとらえて、
目の前の人を相対的に理解することは両立させる必要があるんじゃないかなーと考えてます。

そして、あんまりアナログすぎるのは仕事をする上では不便なので
デジタルへの苦手意識はさっぱりと捨てていただきたいでーす。

何事もバランス。
カウンセラーには特に必要ですよ、バランス。

見立て力アップ講座 vol.0

NPOでは月に一度オープンな勉強会をしています。


オープンな勉強会の良い面は気楽なことです。
いろんなレベルの方が入り混じっていて、
刺激があります。

 

他方、遠慮もあるのでその場だけでは実戦で使えるレベルには
なかなか到達できません。
そこで別途、カウンセリング力アップをめざす個人指導を開発しています。

傾聴やその他心理技法を学ばれた方が、
実践の場に出るときにぶつかる壁はズバリ「見立て」だと思います。
トレーニングの時のように、時間がきたらハイ終わり、
というのでは仕事として成り立ちません。

初回から、

クライアントが話してくれている話題はどこへ

向かっていくのか、

何にフォーカスすべきか、

今日の落とし所はどこか、

それをある程度予測したり促進したりするケースマネジメントは必要です。

 

ケースマネジメントの礎となるのが「見立て」です。

レクチャー部分をツイッターにいくつかに分けて投稿しましたので
ここにまとめておきます。
勉強中の方は参考にしてください。

  • 見立て力 No.0


カウンセリングにはプロセスがあります。
いろいろな分け方がありますが、概ねこのように進みます。

ステップ1.信頼関係を構築

ステップ2.問題の把握

ステップ3.目標の設定

ステップ4.目標達成後のフォロー

この中で、カウンセリングの肝と言える部分は、問題の把握です。
何が問題なのかクライアントが気づけば、自分で解決していく力がわいてくるからです。
この場合の問題は、症状・状況ではなく心理的問題を指します。

たとえば葛藤や、認知と感情のずれ、防衛による非建設的な態度、などですが、
これをクライアント本人が具体的構造的に理解すればそれだけで行動変容が起こり、なんらかの解決に向かって一歩踏み出せる場合もありますし、
単純な葛藤の深層に、根深く自己や他者や人生を否定する気持ちがあって、
そこを少しずつほどいていくことが必要な場合もあります。

この問題を見立て、優先順を考慮しながら、焦点化していくことがカウンセラーの技術です。

 

 続く。

心理カウンセラーの就職活動

心理カウンセラーの資格にはいろいろあります。
なんの資格を取るかという話は長くなるのでまた今度。
今日は、なんらかの資格は取った! さあ仕事を探そう、
という時の方法についてまとめます。

実際にわたしや、仲間がこんな感じで仕事をしているので参考にしてください。

 

  • 求人情報を探す

東京や関東エリアでは心理カウンセラーの求人は激戦です。
地方だと、ハローワークで求人が出てたりして、
意外とすぐデビューできる人もいるのですが、
関東ではよほどの運がないと難しい。

でも一応、求人サイトはチェック。
タイミングが合えば、あと最近すっごく時給が下がっていますが、
まずは実績を積まないと次に進まないので地道に探すのは基本中の基本です。

 

⭐︎キャリアカウンセラー系の資格は、
条件を選ばなければけっこう簡単に求人情報が見つけられます。

 

  • 資格発行団体での次の講座を受ける

これはスキルを磨く意味ももちろんありますが、
どんな団体でも自分のところに来てくれる人をやはり大事にします。


いろんなことを教えていますがやはり団体独自の「優遇ルート」がありますので
そこで師範のような立場になれるように修行すると、
その道の中で人脈ができ、
時にはお手伝いを頼まれたり、
かなりきちんとした仕事がまわってくるチャンスもあります。

大きい団体では、
そこの専従の人以外に、

多種多様なバックグラウンドをもった老若男女ともつながれます。

うちのNPOみたいにスタートアップを一緒にやろう!
なーんて話しも出てくることも。
相性を見極めて、
積極的に動いてみることをお勧めします。

デメリットは、一団体にずーっといると視野がせまくなることです。
教えている心理カウンセリングの技術や理論はとてもフラットでも、
団体はめちゃめちゃ縦社会とかよくあります。
それはそれで、
団体が維持されていくならいいのかもしれませんが、

心理カウンセラーはかくあるべき、
という常識のようなものの半分が、
そこの団体内での暗黙のルールであることはよくあることです。
おまけに、中にだけずっといると気づかなかったりも。

ただでさえ、心理カウンセラーは縛りの多い職業です。
自分の信念と、
周囲からの縛りは分けて考えられるようになりましょう。

  • オープンな勉強会グループに参加する

これも人脈作りには大きいです。
ただ、上のやり方にも同じことが言えますが、
勉強ばっかりでせっかくのチャンスに腰が引けたまま
何年も過ごして何もしないであきらめる、
ということがないように、
自分のキャリアはよく考えましょう。

横のつながりをつくると、
自分のいまいる位置がわかったり、
このさき勉強や実践の場を得るためのいい情報を聞けたりします。

わたしも勉強会をしていて、
終わったら必ずちょこっとお茶をのむ機会や
たまにはお酒を飲む機会をつくっています。
ノリがいい参加者はアフターもきてくれますが、
惜しいのは、そこでみんなの話をきくのに徹してしまうこと。

少し仲良くなったら、積極的に「相談させてください」って言ってみてもいいのになーと思いますよ。

 

とはいえ、いくらフレンドリーでも
自分より経験がいっぱいあるような「ベテランカウンセラー」(に見える笑)の中で、どんなふうに相談をしたらいいのか物怖じしちゃう、って気持ちもわかります。

 

わたしだって昔はそうだったもん!

ということで、
このブログの読者さんには公開相談も受け付けます。
聞いてみたいことがあったらお気軽に。

  • ボランティアをしてみる

お金をいただくにはまだ自分の技術に自信がない、
という時はボランティアから始めるのも手です。

わたしはすごく若いとき、
新聞で見つけた電話相談ボランティアを2年くらいしていました。

今はたくさん情報があります。
新聞、フリーペーパー、インターネット、地域のボラセン。

ボランティアの経験も技術向上とか、
基本的に「人の話を聴く」ってことの本当の意義とか学べること多いので一度はやってみてもいいと思います。

ただ、ずっとボランティアのみだとそれはそれで、
進化していかないなーっていうのも感じます。
団体の美意識みたいのに取り込まれることもないではないし。


その後にはプロになる志があるなら、
適度な距離感はあったほうがいいかも。

  • スーパーバイザー、メンターをつくる

広い人脈、だけでなく、具体的な行動を示唆してくれるような先輩を見つけられるとすごくいいです。

もちろんお金に余裕があったら、
スーパーバイザーと個人契約するのが王道なんですが、
いわゆる教育分析っていうだけじゃなく
お茶を飲みながらいろんな相談ができるような相手ですね。

 

あなたの人柄・価値観・キャリアの方向性・カウンセリング技術、全部をわかってもらった上で相談できるのが理想です。

と考えると、どこかの勉強会に参加して、そこで見つけた人にお願いするような形になるかな?

 

わたしは周囲にベテランの先輩がたくさんいる環境があったので、

初めて統合失調症の方の個人カウンセリングを受けた時も「こんな対応してみたんです」って話せたし、

職場で自殺した人の対応に追われてた時も、いろんな人の話を総合して理解するのに一人ではうーん。。。ってモヤっとしてた時に聴いてもらったり、

いろいろ助けてもらいました。

 

個人的に仲良くなると、
どうやって仕事をとっているのかも教えてもらえたりします!
これもおっきいよね。

  • SNSのプロフィールに資格名を書く

最後はおまけみたいな、
でもほんとにあった話。


資格名で検索されて、
お話をいただけることがまれにですがあります。


でも、仕事の要件で必須資格があるとしたらそもそも
臨床心理士」「シニア産業カウンセラー」「精神保健福祉士」のどれかなので、
もしこれがあったら書いておこう、という感じです。

 

あと、キャリアカウンセラー系の資格も、
直接検索は今までないですが、
プロフ見られて間接的にお仕事につながったりはします。

SNSで、持ってる資格のグループには入っておきましょう!


以上、カウンセラーとして仕事をとることについてのおはなしでした。
また思いついたらアップします。

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このブログについて

難しい資格を取ってから、
さあ仕事をしようと始められるまでが異様に長い心理カウンセラー。
途中で挫折する人もとっても多いです。
 
そんな厳しい状況でも、
カウンセリングマインドをたくさんの人にお届けするため万難を排してがんばろう、
と思っている人を応援するブログです。
 
時に辛口に聞こえるかもしれませんが、
「フラットでいる」ための修行と思ってよーく読んでいただけると、
役に立つように書いていきます。
 
 
書いてる人:まつげ
 
カウンセリング実務はそろそろ13年。
ボランティアを入れるともうちょっと長い。
勉強を始めてからはほぼ20年!
のアラフォー子持ちカウンセラー。ん、計算が合わない。。。?
 
長く関わっても変わりたくない人は変わらないってことに時々うんざりして、
大人相手のメンタルヘルスの相談からはもう足を洗っちゃおうかなーと
考えたりしています。
 
カウンセリング指導歴は10年目。
おかげさまでカウンセリング自体よりも指導の方がうまくなっているようなので、
引退する前にわたしの発見したことや、
わかりやすいと評判の(←自賛!w)見立て力向上TIPSや
デビューしたての人が陥りやすい「モヤモヤ」について共有します。