シニア産業カウンセラーのレベル
産業カウンセラーの試験は、8分間で、感情にフォーカスすること、
そのためにカウンセラーとしてやろうとしたことの自覚が表現できれば合格します。
養成講座でそんなの習わなかった! と言われる人がいますが、、、
カウンセラーの役割をなんだと思っているのかな?
事柄を繰り返してばかりいてもなんの解決にもつながらないよね。
できる人には理由がない。
できない人にだけ理由がある。のです。
で、感情にフォーカスするというのは、
カウンセリングプロセスで言ったら「問題の把握」の入り口になるわけですね。
産業カウンセラーの資格が取ったばかりの人の多くが、
20分くらいのロールプレイをやってみて、迷走してしまうのは、
感情になんのためにフォーカスするのか、その先に何を目指すか、
そのために何をしたらいいかわからないからです。
感情を焦点化した。で、どうする。
っていう分岐点が、とても大雑把に言うと、
インテークの15分くらいでくるのです。
ロールプレイ20分してみるととってもわかりやすいんだけど、
残りの5分でやんなきゃいけないことがなされないと、話がぐるぐるしちゃうんですよね。
残り5分で、ケースの方向性もわからないし、やれることの具体策もほぼないことに気づいて、カウンセラーなんてとても名乗れない、何もできない、という事実に愕然とするわけです。
みんなが通る道ねー。
わたしも通りました。15年くらい前。
シニア産業カウンセラーを受けようとする人でも、
このレベルの人が結構います。
当然、合格には遠いです。
傾聴を、「話を正確に聴く」ということだと勘違いしている、
としか思えませんが、
当たり前ですがそれではクライアントの心理変容、洞察は起こせません。
まれに、カウンセラーが何もしなくても、クライアントが変容することはあります。
相性が良く、クライアントの成長する力もあって、何もしなくてもいい、と判断できる場合もあります。
でもそれは、始めてみないとわからないことですし、
初対面のクライアントに対して最初から期待すべきことではなく、
それを狙うのはカウンセラーとしての責任の放棄になってしまいます。
ということで、シニア産業カウンセラーとして合格するレベルは、
「何をなすべきかわかっている」カウンセラーということになります。
そして、これは現場で仕事を任されるべきレベルとほぼ同じ。ですよね。
見立て力アップ講座 vol.2
見立て力 No.2
クライアントの話から、何と何が葛藤を起こしているのかを整理することなども、構造化です。
やはり最初の段階で、しっかり感情と不一致を捉えておく必要があると思います。
自分のカウンセリングはこれでいいのか?その3 -カウンセラーのメンタルケア編
うろ覚えな人はnaverまとめをどうぞー。
自分のカウンセリングはこれでいいのか?その1 -仕事が決まってから編
見立て力アップ講座 vol.1
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見立て力 No.1
感情について、いろんな学び方がありますが、
まず簡易版としてwikiの感情の一覧を見て、日常シーンで言語化できるようになりましょう。
人の言葉から「感情」をくみとれるようになるには、自分自身の感情をしっかりと認識する(「ある」ことを感じ、ぴったりする感情用語のラベルを貼る)ことが大事です。
思考は現代人にはとても大事ですが、思考(こうあるべき)と感情(でも悲しい)が不一致を起こしている場合も多いので、両方をきちんと理解できるようになりましょうね。
感情は、言葉でクライアントから出る場合もあるし、(「悲しいんです」etc)
感情を込めた事柄や思考の言葉として出る可能性もあります。
ただ、「共に感じる」共感的理解ができるレベルに昇華した言葉として、最初から表現してくれることは稀です。
クライアントが最初から、「ほんとうの気持ち」を自覚できていたら、ほとんどのケースは悩まなくてもすんでいます。
逆に言うと、
カウンセラーが共感的理解ができるくらいまで、
クライアントに今ある感情を見つけて、結晶としての言葉にしてもらう必要があります。
ここが共同作業になるので、プロセス1の信頼関係が重要ですね。
自分のカウンセリングはこれでいいのか?その2 -どこまで技術向上すりゃいいの編
自分のカウンセリングはこれでいいのか?その1 -仕事が決まってから編
今日は、心理カウンセラーの仕事が決まってから編を書きます。
修行の甲斐あって、それなりにカウンセラーの役割と技術が身についてきたら、
ぽちぽちと仕事で、つまりお金をクライアントが払う状況でお話を聴く機会も出てきたりします。
そうでない人も一定数以上いるかと思うので、
「じゃあどれくらい技術が向上したらプロの現場に立てるの?」の話も改めてします。
プロの現場では、
とにかく初期は緊張して時間をまっとうするだけで精一杯ですが
少し慣れてくると今度は悩みまくる時期がやってきます。
自分のカウンセリングはこれでいいのか?
場数が足りないと、まず見立てまでいかないことが多いです。
信頼関係の構築とクライアントのガス抜きは重要なステップですから、
そこはとにかくがんばろうとするんですが、
当たり前ですがそれしか技術がないと、
自分が何を提供しているのかわからなくなります。
クライアントの健康度が高ければ、
信頼関係構築→ガス抜きだけで、
自分で解決方法を見つけ出せるまでに整理されることもわりと、あります。
そう考えると、技術力が低くても、
役に立てる機会自体は増やせるので、
自分への客観度が低ければ
仕事をしてるつもりになることもできると思います。
というのは辛口すぎる表現ですね。
おおらかで、その時間真剣であれば、
確かにカウンセラーとクライアントとの間に心理的接触が起こり、
「なんだかわからないけど」クライアントが元気になった⭐︎
ということは起こるのです。
そして、このカウンセラーの人間力が
技術以上に価値があるという考え方もできると思います。
つまり、相当に自己客観レベルが高い場合も、
技術以外の影響力で大きな価値を生み出すことを選択しているケースもあります。
が、今回はそういう天然スピリチュアルなカウンセラーは置いておいて、
初心者で自信をなくすカウンセラーの話をしますね。
経験が少なくカウンセラーとしての軸が定まっていない場合、
「役に立ったのかもしれないけどクライアントの内面で何が変化したかわからない」
という経験が重なると不全感は高まります。
もちろん、
技術も共感力も低ければ課題が見つからない=見立てができないので、
カウンセリング自体が行き詰まったり、
解決とは別の方向に進んでしまったりという感触がわかるようになると
さらに、修行の必要を感じると思います。
アカデミックな世界では心理療法を実践する場合は
スーパーバイズは必須ということになっています。
でも、修行をがんばればがんばるほど
カウンセラーにはお金がないので、スーパーバイズは贅沢品です。
わたしは、たまたまベテランの先輩になんでも質問できる環境にありましたので
無償でスーパーバイズ的なこともしていただいてました。
環境は大事です。
とにかく、自分を客観視できる環境に身を置かなければ先はありません。
就職活動編で書いたように、いろいろな方法で仲間や、情報を得てくださいね。
そしてとにかく、たくさんのケースに溺れて、経験を増やしていかれることをお勧めします。
次は、どこまで磨けば自信がもてるか?
というところを追求したいと思います!
心理カウンセラーはアナログ。
心理カウンセラーはアナログ。
ブログのタイトルにしてしまうほど、
わたしの知る限りほんとにアナログな人がすごーく多い職業です。
ただ憂えたり嘆いたりするのは性に合わないので、
なんでなのか考えていたところ、
一つの可能性が浮かびました。
心理カウンセラーって大学の先生層を除くと、
昔から女性が多いですよね。
だって、基本、一人前の仕事にできないしね。
大きいお家の奥様とかが多かったんじゃないかなあ。
社会奉仕活動なイメージ。
今だって、臨床心理士の資格があったって正職員じゃない人いっぱいいますからね。
向き不向きとか関心度も女性の方が高め。
わたしの時代は大学に心理学科がいっぱいできた頃なんですけど、
7割くらい女子でした。
みんな統計できなくって泣いてたなー。文系でね。。。
実際、共感のレベルが高いのは総じて女性です。
今の若者には、男子でもすごく共感性の高い子がわりとごろごろといるので、
生理的なことじゃなくて文化的なことかもしれませんが。
女性が多いことと、タイトルの「アナログであること」は比較的連動している。
臨床畑では、合理的だったり効率的だったりというのは好まれないです。
一人一人をじっくり「共感」的に理解することが重要で、
データでは表層面しか知ることができない、ってね。
ま、そこは否定しません。
こういう感覚って、やっぱりITから遠いのかもしれないです。
なんでも秘密。
守ってなんぼ。
発信したりナレッジをためて再構成して普遍的に活用したり、
って、
人間を「膨大な情報のかたまり」と認識してるからこそやろうとする、
のですものね。
個人的には、一人一人を個別に理解することと、
人間を大きくとらえて、
目の前の人を相対的に理解することは両立させる必要があるんじゃないかなーと考えてます。
そして、あんまりアナログすぎるのは仕事をする上では不便なので
デジタルへの苦手意識はさっぱりと捨てていただきたいでーす。
何事もバランス。
カウンセラーには特に必要ですよ、バランス。