心理カウンセラーはアナログ

資格を取ったばかりの人が、プロの心理カウンセラーになるには、そして真にクライアントのためになる心理カウンセラーとは、を考えるブログです。

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見立て力アップ講座 vol.1

本編の前に、準備というか前提条件を少々。
どんな心理療法も、傾聴力の土台があって、初めて効果を奏します。
そして通常、面談は、契約関係と目的をはっきりさせる枠組みを作るところから始めます。
慣れないうちは、なあなあにしてしまうこともありますが後々カウンセラーの首をしめることになります。
 
カウンセリングの目的、
クライアントのニーズ、
できることできないこと、
大きい目標が合意されていることはもちろん、
今からなんの話をするのか、
残りの時間をどう使うのか、
認知行動療法でいうアジェンダ設定を意識するとよいでしょう。
 
時間の意識は大切です。
カウンセラーの応答がよくないと、
クライアントは「本当に聴いてほしいこと」まで話がたどり着かないということはよくあります。
特に一コマいくらでお金を頂いている契約では、
時間内でステップを少しでも進め、
問題の見立てに近づくことがプロとして必要です。

 

  • 見立て力 No.1

いわゆる場面構成を終え、クライアントと信頼関係を築き、
主訴を共有したら、
いよいよ問題の核心にせまります。
ヒントになるのは、
「いま、ここ」のクライアントの感情です。
 
 
 
感情とは何か。
カウンセラーたる自分はわかっているでしょうか?
 
「クライアントの気持ちを聴いてください」とトレーニングの場で言うと、
一生懸命「気持ち」に焦点化しようとしているつもりで、
それって状況だったり、思考だったりしています。
 
「お父さんと弟さんが仲が悪いので、悩んでおられるんですね」→状況
「お父さんと弟さんが仲が悪くて、なんとかしたいと思われているんですね」→思考
状況があって思考があって、さらに感情があるはずですよね。それを聴くのが最初にすべきこと。
 
状況や過去の話や、
本人以外の第三者の話を延々と説明させてしまっては、
一向に問題が見えてきません。
 
状況、過去、第三者を含む事柄については、大事なキーワードにしぼって応答します。
技法で「繰り返し」というのがありますが、
 
基本的にカウンセラーが繰り返して伝えた言葉は
クライアントはもっと説明したくなります。
話が脇にそれる原因です。
これ、自分がクライアントの経験をする時に振り返ってみると、
あるいは逐語記録なんかを読み返してみるとよくわかりますよね。
 
本論の前の枝葉について、
いちいち繰り返していては時間がすぐにすぎてしまいます。
クライアントのペースを尊重しながら、
できるだけ短い時間で「今、ここ」の感情とその対象にフォーカスするか。
これが最も基礎的な傾聴の技術です。
 
 

感情について、いろんな学び方がありますが、

まず簡易版としてwiki感情の一覧を見て、日常シーンで言語化できるようになりましょう。

 

人の言葉から「感情」をくみとれるようになるには、自分自身の感情をしっかりと認識する(「ある」ことを感じ、ぴったりする感情用語のラベルを貼る)ことが大事です。

思考は現代人にはとても大事ですが、思考(こうあるべき)と感情(でも悲しい)が不一致を起こしている場合も多いので、両方をきちんと理解できるようになりましょうね。

 

感情は、言葉でクライアントから出る場合もあるし、(「悲しいんです」etc)

感情を込めた事柄や思考の言葉として出る可能性もあります。

ただ、「共に感じる」共感的理解ができるレベルに昇華した言葉として、最初から表現してくれることは稀です。

 

クライアントが最初から、「ほんとうの気持ち」を自覚できていたら、ほとんどのケースは悩まなくてもすんでいます。

 

逆に言うと、

カウンセラーが共感的理解ができるくらいまで、

クライアントに今ある感情を見つけて、結晶としての言葉にしてもらう必要があります。

ここが共同作業になるので、プロセス1の信頼関係が重要ですね。